訪問歯科診療について 01

酷暑の真夏日が延々続くかと思いましたが、立秋・お盆と季節が進むにつれ、少しは朝晩過ごしやすくなってきましたね^^

さて、前回まで4回にわたってテクノロジーの進化によって歯科医療でも変化が起こっているとお伝えしました。実はまだテクノロジーのネタはあるのですが、さすがに食傷気味というのと、他の話題もお伝えすべきことがありますので、今回はガラッとテーマを変えて、「歯科訪問診療」についてお伝えしたいと思います。

前回までとは打って変わって、一気にアナログな話になります。というのも、訪問歯科診療とは歯科医師や歯科衛生士が、直接患者さんのお宅にうかがって診療をするので、前回までお伝えしたようなハイテク機器は病院内に設置することで効果を発揮する機器ですので、往診先ではほとんど用なしです。。。また、歯科医師や歯科衛生士がお邪魔するということは、患者さんやご家族から見れば「他人」である我々が家に入ってくるわけですから、家族の予定の都合をつけたり、部屋の掃除や片付けなどにも気を遣うなど、訪問診療を受けるというだけで心理的ハードルが高いんです。さらに、高齢者の患者さんはなにかしらのご病気をお持ちで、介護が必要な状態だったりしますから、身体に負担をかけることにも注意が必要になります。そのような背景がありますから、テクノロジーを駆使した治療よりも、訪問診療はできるだけ最小限の治療にとどめる、というのが実情だと思われます。もちろん1回の治療で終わらないこともありますから、患者さんやご家族、介助者の方との信頼関係がとても大事で、これはテクノロジーではなく人と人とのつながり人間性人間力の方が問われてきます。

また、訪問歯科診療を受ける患者さんのほとんどは高齢者なので、我々医療者側がこうしたい、あぁしたい、というような治療方法を提示しても、とりあえず痛くなく食事ができるようにさえしてくれれば充分、というケースがほとんどで、極端な例ですが、むし歯があっても積極的に治療しないケースもありますし、本来なら抜歯しなければいけないようなひどい状態の歯でも、抜歯せずに経過観察するケースもあります。理由はいろいろありますので一概には言えませんが、むし歯治療や抜歯より、口腔ケアの方が優先順位が高いことが多くあります。(口腔ケアに関しては別で投稿します)

診療室とは全く異なる環境で、患者さんの背景(病気の有無や介護状態、家族の状況など)を考慮しながらの診療は、口の中という狭い領域の知識だけでは不足しており、医科の知識も多少必要になります。幅広い知識を得られるように多方面にアンテナを張って、今後も訪問歯科診療に携わっていきたいと思います。

というわけで、まずは訪問歯科診療のさわりの紹介でした。今後も訪問歯科診療に関しては定期的に投稿していきます^^