唾液のチカラ

最近は随分と冷えますね!東京都心では観測史上初となる11月の積雪とのこと。暑かったり寒かったり、陽気が落ち着きませんね、、、
 
さて、今回は「唾液(つば)」について述べたいと思います。
食事の時にも唾液は出ていますが、「お茶や水が無いと食事できない!」という人いませんか?
 
 
そもそも口の中は絶えず唾液が出ており、その量は1日約1リットル程度と言われています。
私が国家試験を受けたときは「1日に1~1.5リットル」と言われていましたが、最近その量が減っているという報告があります。
 
昔は子供が歯科治療を受けるのに口を開けると、みるみる唾液があふれ出てくるので治療しにくかった経験がありますが、
最近の子供の治療はそこまで唾液まみれで困るということは少ないように感じます。
 
唾液が出にくくなっているのは、「子供の時の食生活」と関わりがあると言われています。
国民的アニメ「サザエさん」ではお父さんを中心に食卓を囲んで一家団欒するシーンが描かれていますが、
食事の時にお茶や水を飲むというシーンはほぼないと聞いたことがあります。
カツオが叱られて、喉につまってあわてて水で流しこむというシーンはよく見ますが(笑)
 
しっかり咬む前に飲み込んでしまうので消化に良くないですし、
食事の時にお茶や水で飲み込むのは行儀が悪いと考えられているためとも言われています。
 
唾液はよく咬むことで唾液腺からじわじわ出てきます。
最近の食事はただでさえ柔らかいものが多くなり、咬む回数が減っていますから、意識してしっかり咬むことが肝要です。
食べ物ひと口で20~30回程度咬むのが良いと言われています。
ところが柔らかいものばかり食べたり、お茶や水で流し込むように嚥下(飲み込む)する習慣が続くと、唾液を作る唾液腺が委縮するということが実験で分かっています。
 
唾液はお茶や水と全くといってよいほど異なります。
 
咀嚼時の潤滑剤としての役割に加え、殺菌作用もあり、酵素による初期消化も行われています。
また、細菌によって溶かされた歯の表面を修復する「再石灰化」、さらに酸性になったお口の中を中和する「緩衝能」も備えています。
 
(下図はステファンのカーブと呼ばれる、一日のお口の中の酸性度合いを図にしたもの。黄緑の領域では歯が溶かされてしまう
   
飲食回数が多いほど、お口の中は酸性に傾いたままになってしまう。(むし歯予防のページ参照)
 
昔から「唾液がたくさん出る子は元気に育つ」「多少の傷はツバをつけておけば治る」などど言いますよね。
近年ほとんどの保育所や幼稚園などでは、お昼ご飯の際にお茶や水が準備されます。
しっかりと唾液を出してあげることが唾液腺を発達させるのですが、お茶や水で嚥下する習慣によって唾液腺の発達を妨げてしまっているおそれがあります。
お子さんのいらっしゃる家庭では、なるべくお茶や水を遠ざけた方が良いと思われます。
どうしても水分が必要そうなら、お味噌汁やスープなどでも充分飲み込みやすくなります。
 
食事の時にお茶や水がないと食べられないという方いませんか??
 
しっかり咬んで食べるようにすることで、ある程度唾液がでるようになります。
お茶や水が飲みたくても少しだけ我慢してよ~く咬んでみて下さい。
 
体調や飲み薬によっても唾液は少なくなりますので無理は禁物ですが、唾液が多い人ほど健康的な生活が送れると言えます。
みなさんもよく咬んでしっかり唾液を出しましょう!!