義歯の扱いについて

8月に入って熱い夏が来たと思ったらお盆は豪雨から始まる長雨で、日本列島のいたるところで災害レベルの被害でした。浸水被害などに見舞われた方々に心よりお見舞い申し上げます。そしてその後は第4波とされる新型コロナウィルス感染症の爆発的な拡大で多くの都道府県に緊急事態宣言が発出され、全国的に暗い気持ちが蔓延してしまいました。そしてそんな中で母校の神奈川歯科大学同窓会岡山県支部の学術講演会が開催予定でしたので、対策や準備に追われバタバタしていたら9月中旬になっていました(汗)

学術講演会は9/12に岡山大学病院補綴歯科部門教授皆木省吾先生をお招きして、義歯についてのご講演をしていただきました。このご時世なので、会場は100名程度入れるところを20名程度にまで減らしてディスタンスを維持し、そのほか検温やアルコール消毒などの感染対策を徹底して開催しました。Zoomを利用したWeb講演会併催でしたので、Zoom参加の方が遥かに多くウェビナーに近い形となりましたが、PCやスマートフォンが苦手な年配の先生方への配慮もありましたので、会場とWebのハイブリットにこだわりました。

Web会議を行っている画像

さて、タイトルの「義歯の扱い」ですが、義歯の洗浄の仕方とか管理方法というよりは、我々歯科医師側の考え方についてです。先日の講演会においても、義歯が外れるなら外れないように大幅に義歯を削って小さな小さな義歯に改造する、という考えは知ってはいましたが、なかなか実行するのはためらうのですが、そこをスマートにこなすのはさすが皆木先生!手技を拝見させていただき、感動の連続でした!

以前にも一度お話を聞いたことがありますが、ほんの1時間程度でありましたが、今回はなんと7時間ものご講演でしたので、要点をまとめるだけでもすごい量となりました。すぐにすべてをシェアできませんが、機会があれば少しずつ義歯のお話も載せていきたいと思います^^

そのなかでも「咬める外れない義歯」「噛めない人の飲み込むための義歯」など義歯の役割を変えて形を改造していく、というコンセプトはとても参考になりました。というのも私は訪問診療に携わって15~6年経ちますが、患者さんの病状や介護度によっては義歯が邪魔・不要になる場面に良く出くわします。そのたびに、本来歯科医師として義歯が使えるように、患者さんのお口の中で安定するように調整するのが使命のひとつですので、義歯を使用しないように指導するのは心苦しいなぁ、と感じていましたが、義歯の在り方が一つではない、という考え方はとてもしっくりくるものがありました。

入れ歯が外れて困っているお婆さんの画像

実際に人生の終末期には、義歯は単なるプラスチックの塊で、人体にとっては異物となり果ててしまいます。噛む・飲み込む・会話する・表情をつくるなど、義歯に付属するあらゆる機能働かなくなりますので、仕方のないことではあります。そこに至るまでに、自分にできることを誠意をもって尽くしていく、これしかないのかなと思います。いまの自分はとにかくあらゆる方向性にアンテナを張って情報を集め、勉強をして知識と経験を蓄えている段階です。自分に何ができるのか、まだわからないところもありますが、日々精進していきたいと思います!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m