アルツハイマー型認知症の考え方

連日の梅雨空はどこに行ったのか?と思うくらい暑い日々ですね。マスクをしていると余計に熱がこもりますから、熱中症には十分お気を付けてください!

さて、新型コロナウィルス感染症による騒動後、初めてとなるクラスターが岡山市内で発生したとのことですが、ガラッと話題を変えまして、今回はタイトルにあるようにアルツハイマー型認知症に関する記事です。

認知症は、だれしもなりたくない病気の一つだと思います。アルツハイマー型はそのなかで最も多いとされていますが、現在のところ原因は不明であり、治療薬もありません。症状を緩和する薬がいくつかありますが、吐き気などの副作用の問題や、個人個人に合った容量を見極めるのが難しいようです。

原因は不明ながらもいくつか仮説があり、最も有力とされていたのが、「脳の神経細胞の中にアミロイドβタウ蛋白と呼ばれるたんぱく質が蓄積することで、神経細胞が炎症を起こして減少していく」というアミロイド仮説です。ところが、アミロイドβそのものが増えているにもかかわらず認知症状を呈していない患者さん、またその逆に、アミロイドβが少ないのに認知症状を呈する患者さんが少なからずおられることもあり、アミロイド仮説にかげりが見えてきています。

近年になって新しく注目されているのが「ミエリン仮説」です。ミエリン鞘と呼ばれる、神経細胞の細胞体から延びる細長い神経線維を保護していると考えられているバームクーヘン状の構造があり、この構造の崩壊によって神経細胞が減少して認知症状が起こるのではないか、これがミエリン仮説です。

以下は株式会社グロービアの「グロービアミエリン研究所」の記事のリンクです(別ページで開きます)

http://myelin.glovia.co.jp/myelin/myelin_2/

神経細胞線維とミエリン鞘の図

ここ数年でアルツハイマー型認知症に対するアプローチが少しずつ変わってきているようです。ところで歯科医師なのになぜアルツハイマー型認知症のことを取り上げるかといいますと、歯周病とアルツハイマー型認知症は関係性があると言われているんです。さらに普段なにげなく摂取する食べ物の種類や食べ方によっては、脳内に悪影響を及ぼす可能性もあります。個人的にですが、口腔周囲の健康と認知症は関連があると考えています。また歯科訪問診療の現場においても、認知症の患者さんとの接し方や歯科治療の困難さなどもあり、以前から認知症は興味をもって勉強していますし、もし認知症が治る病気になれば、認知症で苦しむ患者さん自身、支える周囲のご家族などがハッピーになると思っております!

これからも新しい情報などありましたら発信していきたいと思います。最後までお付き合いありがとうございます^^