世界の多くの国々で高齢化が急速に進む中、アルツハイマー型認知症(AD)は個人、家族、そして社会全体にとって重大な課題となっています。認知機能が徐々に低下し、日常生活に支障をきたすこの疾患は、患者さんご本人の尊厳を損なうだけでなく、介護者の負担も増大させます。このような背景から、ADの発症を遅らせる、あるいは進行を抑制するための「予防医療」への期待がかつてないほど高まっています。近年、画期的な作用機序を持つ新薬が登場し、治療の選択肢が広がりつつある一方で、古くから認知機能に関心が寄せられてきたサプリメントも注目を集めています。
本記事では、アルツハイマー型認知症の予防という観点から、最近承認された新薬(レカネマブ、ドナネマブなど)と、サプリメントとして知られる「フェルガード」に着目し、それぞれの特徴、作用機序、期待される効果、副作用やリスク、費用、使いやすさなどを多角的に比較・解説します。これにより、読者の皆様がアルツハイマー型認知症予防に関する理解を深め、ご自身やご家族にとってより適切な選択をするための一助となることを目的としています。
アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多いタイプであり、脳の神経細胞が変性・脱落することで発症します。主な原因物質として、脳内に異常に蓄積する「アミロイドβ(Aβ)タンパク質」による老人斑(アミロイドプラーク)と、「リン酸化タウタンパク質」による神経原線維変化が知られています。これらの異常タンパク質の蓄積は、症状が現れるかなり前から始まっていると考えられています。
初期症状としては、もの忘れ(特に新しい出来事)、日付や曜日の混乱、言葉が出にくい、意欲の低下などが見られます。症状が進行すると、時間や場所の認識ができなくなる見当識障害、判断力の低下、実行機能障害などが現れ、日常生活に大きな支障をきたすようになります。現時点では根治治療法は確立されていませんが、早期に発見し、適切な介入を行うことで、症状の進行を遅らせたり、生活の質(QOL)を維持したりすることが期待できます。
近年、アルツハイマー病の進行そのものに介入する「疾患修飾薬(Disease Modifying Therapy, DMT)」が登場し、大きな注目を集めています。これらは主に、アルツハイマー病の主要な原因の一つと考えられているアミロイドβ(Aβ)タンパク質を標的としています。
位置づけ: 疾患修飾薬(医薬品)
作用機序: レカネマブは、脳内に蓄積するAβの中でも特に神経毒性が高いとされる可溶性のAβプロトフィブリルに選択的に結合し、ミクログリア(脳内の免疫細胞)を介して除去を促進します。これにより、神経細胞の損傷を抑制し、病気の進行を遅らせることを目指します (八幡厚生病院情報, 朝日新聞 2025年4月20日)。
期待される効果: 早期アルツハイマー病患者(軽度認知障害(MCI)due to AD及び軽度AD)を対象とした臨床試験(Clarity AD)では、18ヶ月間の投与により、プラセボ群と比較して認知機能や日常生活能力の評価スケール(CDR-SB)の悪化を27.1%抑制したと報告されています (朝日新聞 2025年4月20日)。また、ADCS MCI-ADL(日常生活動作能力)ではプラセボと比較して37%の進行抑制効果が示されました (国立長寿医療研究センター 2023年9月25日)。
主な副作用とリスク: 最も注意すべき副作用はアミロイド関連画像異常(ARIA)であり、ARIA-E(脳浮腫・滲出液貯留)とARIA-H(脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症)があります。ARIAは無症状のことも多いですが、頭痛、めまい、吐き気、錯乱、視覚障害などを引き起こすことがあります。重篤な場合には痙攣や意識障害に至る可能性も指摘されており(文春オンライン 2024年6月28日, 国立長寿医療研究センター 2023年9月25日)、投与中は定期的なMRI検査によるモニタリングが不可欠です。その他、点滴に伴う反応(インフュージョンリアクション)も報告されています。
投与対象者: アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)及び軽度のアルツハイマー病患者で、アミロイドPET検査や脳脊髄液(CSF)検査により脳内へのアミロイドβ病理の蓄積が確認された方が対象となります (埼玉県情報)。詳細な適応基準は「最適使用推進ガイドライン」に定められています。
用法・用量と投与期間: 通常、2週間に1回、約1時間かけて点滴静注します (なかまぁる 2023年10月18日)。治療期間は患者の状態や医師の判断によります。
費用と経済的負担: 体重50kgの患者の場合、年間薬剤費は約298万円と高額です (日本認知症国際交流プラットフォーム 2023年12月13日)。ただし、高額療養費制度の対象となるため、所得に応じた自己負担上限額が適用されます。例えば、70歳未満で標準報酬月額28万~50万円の3割負担の場合、月々の自己負担額は約8万円強(多数回該当で約44,400円)が目安となります (おばた内科クリニック 2024年2月18日)。
承認状況: 日本では2023年9月に製造販売が承認され、同年12月に保険適用となりました (朝日新聞 2025年4月20日)。米国FDAでも承認されており、EUなど他の国や地域でも承認申請が行われています (バイオジェン・ジャパン 2025年3月3日)。
位置づけ: 疾患修飾薬(医薬品)
作用機序: ドナネマブは、脳内に沈着したAβプラークの中でも、特に修飾されたピログルタミン酸Aβを標的として除去する抗体医薬です。これにより、Aβプラークの蓄積を抑制し、アルツハイマー病の進行を遅らせることが期待されます (東京都健康長寿医療センター, CareNet 2024年12月31日)。
期待される効果: 早期アルツハイマー病患者を対象とした臨床試験(TRAILBLAZER-ALZ 2試験)では、認知機能や日常生活能力の評価スケールであるiADRS(Integrated Alzheimer’s Disease Rating Scale)やCDR-SBを用いて評価され、プラセボ群と比較して症状の進行を約30%程度遅らせる効果が報告されています (国立長寿医療研究センター, 国立長寿医療研究センター)。GV-971(中国で承認された薬剤)と比較して、ADCS-ADLおよびCDR-SBで優れた有効性が確認されたとの報告もあります (CareNet 2024年12月19日)。
主な副作用とリスク: レカネマブと同様にARIA(ARIA-E、ARIA-H)が主な副作用として報告されており、定期的なMRI検査によるモニタリングが必要です。ARIAの発生頻度はレカネマブと比較してやや高いとの報告もありますが、直接比較は困難です (ドクターメイト 2024年10月7日, 日本イーライリリー医療関係者向け情報)。注射に関連する副作用も報告されています (ほのぼのクリニック 2024年8月18日)。
投与対象者: レカネマブと同様に、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)及び軽度のアルツハイマー病患者で、脳内アミロイドβ病理の蓄積が確認された方が対象です。詳細は最適使用推進ガイドラインで規定されます。
用法・用量と投与期間: 通常、4週間に1回、約30分かけて点滴静注します (大阪医科薬科大学病院 2025年2月3日)。特徴的なのは、投与開始後、脳内のAβプラークが一定レベルまで除去されたことが確認されれば、投与を終了する可能性がある点です。例えば、半年ごとに効果を確認し、1年でAβの塊がなくなれば使用を終了、なければ継続といった運用が考えられています (朝日新聞 2024年11月13日)。
費用と経済的負担: 年間薬剤費は約308万円とされており、レカネマブとほぼ同等です (ほのぼのクリニック 2024年11月13日)。こちらも高額療養費制度の対象となります (読売新聞 2024年11月13日)。
承認状況: 日本では2024年後半に承認され、同年11月26日に発売となりました (大阪医科薬科大学病院 2025年2月3日)。米国FDAでも2024年7月に承認されています (CareNet 2024年12月31日)。
位置づけ: サプリメント(一部製品は機能性表示食品)
「フェルガード」は、株式会社グロービアが販売するサプリメントシリーズの総称で、特に「フェルガード®100M」などが知られています。医薬品ではなく、健康食品に分類されます。フェルガードシリーズの「フェルガード®B」は「機能性表示食品」として届け出られており、「年齢とともに低下する認知機能の一部である記憶力(日時や場所・人物を思い出す力、覚えた単語を思い出す力)の向上に役立つ」と表示されています (グロービア製品情報)。
主成分:
期待される効果 (研究・報告ベース):
副作用と安全性: 副作用はほとんどないとされていますが、まれに皮膚が赤くなる、かゆみが出るといった報告があります (のむら脳神経外科)。主成分が植物由来であるため、安全性は比較的高いと考えられています (クリニックいわた 2023年11月27日)。
対象者:
用法・用量と入手方法:
費用: 製品によって異なりますが、「フェルガード®100M」(60包入り、約1ヶ月分)の場合、販売価格は6,000円(税込)程度です (グロービア製品情報)。保険適用はなく、全額自己負担となります。新薬と比較すると安価ですが、継続的な摂取が必要になる場合があります。
アルツハイマー病新薬(レカネマブ、ドナネマブ)とサプリメントであるフェルガードは、その位置づけから期待される役割、科学的根拠のレベルまで大きく異なります。
新薬: 医薬品として、薬機法(旧薬事法)に基づき、複数の国や施設が参加する大規模かつ厳格なランダム化比較試験(RCT)を含む臨床試験(治験)が実施されます。これらの試験で有効性と安全性が科学的に証明された上で、厚生労働省(日本では医薬品医療機器総合機構 PMDAが審査)による審査を経て承認されます。エビデンスレベルは非常に高いと言えます。
フェルガード: 「フェルガード®100M」はいわゆる栄養補助食品(サプリメント)で、フェルガード®Bは「機能性表示食品」として消費者庁に届け出されています。 (消費者庁 機能性表示食品について)。 フェルガード®100Mに関しては、前述の通り、MCI患者を対象とした臨床試験の結果が「Journal of Alzheimer's Disease Reports」に掲載されています (PubMed: DOI 10.3233/ADR-200211)。これは肯定的な結果を示していますが、一方で、UMIN-CTRに登録された別のMCI対象の臨床試験(R000025504)では、主要な認知機能評価でプラセボ群との有意差なしという結果も公表されています (UMIN-CTR R000025504)。 このように、サプリメントの研究は医薬品ほどの規模や厳格さで行われない場合も多く、結果の解釈には慎重さが必要です。 (薬学雑誌 2023年 機能性表示食品制度の現状と課題)。
新薬: レカネマブやドナネマブは、アルツハイマー病の根本的な病態生理の一つである脳内アミロイドβ(Aβ)タンパク質の蓄積に直接介入します。特定の形態のAβに結合し、脳内から除去することで、神経細胞の障害や病気の進行を抑制することを目指す「疾患修飾薬」です。
フェルガード: 主成分であるフェルラ酸やガーデンアンゼリカエキスは、抗酸化作用、抗炎症作用、神経保護作用、アセチルコリン分解酵素の阻害など、複数のメカニズムを通じて脳機能全体をサポートすることが期待されています。Aβに直接作用するというよりは、より広範な生理活性を持つ成分による間接的なアプローチと言えます。
新薬: ARIA(アミロイド関連画像異常:脳浮腫、脳微小出血など)という特有かつ注意すべき副作用のリスクがあります。これらは時に重篤化する可能性もあるため、投与中は定期的なMRI検査による厳格なモニタリングと専門医による管理が不可欠です。また、点滴静注に伴うアレルギー様反応(インフュージョンリアクション)も起こり得ます。
フェルガード: 一般的に安全性は高いとされ、報告されている副作用も皮膚のかゆみや赤みなど軽微なものが中心です。しかし、植物由来成分であっても体質によってはアレルギー反応などが起こる可能性は否定できません。また、サプリメントは医薬品とは異なり、厳密な副作用収集システムが義務付けられているわけではありません。
新薬: レカネマブは2週間に1回、ドナネマブは4週間に1回の通院と、それぞれ約1時間または約30分の点滴静注が必要です。これには時間的、身体的な負担が伴い、特に遠方からの通院や介助が必要な場合は大きな課題となります。
フェルガード: 経口摂取(顆粒または錠剤)であり、自宅で手軽に服用できます。1日数回、水やお湯、飲食物に混ぜて摂取できるため、日常生活に取り入れやすいと言えます。
新薬: 年間数百万円という非常に高額な薬剤費がかかります。高額療養費制度を利用しても、所得によっては自己負担額が月数万円から十数万円に及ぶことがあります。ただし、早期のアルツハイマー病の進行を抑制することで、将来的な介護費用の増大を抑えたり、患者さんのQOL(生活の質)を長期間維持したりする効果が期待されるため、長期的な視点での費用対効果が議論されています。
フェルガード: 月額数千円程度(フェルガード100Mの場合、1日2包で約6,000円/月)であり、新薬と比較すると大幅に安価です。しかし、保険適用はなく全額自己負担となります。効果の実感には個人差があり、医薬品のような明確な効果が保証されているわけではないため、費用対効果の評価は難しい側面があります。長期継続が必要となる場合、総費用も考慮に入れる必要があります。
新薬: 主に、脳内にアミロイドβの蓄積が確認されたアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)または軽度のアルツハイマー病患者が対象です。これより進行した段階では効果が期待しにくいとされています。
フェルガード: 軽度認知障害(MCI)の方や、明確な診断は受けていないものの加齢による認知機能の低下が気になる方、あるいはより早期の「予防」段階での使用が想定されます。疾病治療を目的としたものではないため、対象者はより広範です。
※高額療養費制度適用後の自己負担額は所得や年齢により大きく変動します。グラフは一例です。
フェルガードの費用も製品や購入単位により変動します。
図1: アルツハイマー病新薬とフェルガードの年間費用概算比較
アルツハイマー病新薬とフェルガードを選択する上で、医薬品とサプリメント(特に機能性表示食品)の法的な位置づけや特性の違いを理解しておくことが極めて重要です。「フェルガード®100M」は栄養補助食品で、フェルガード®Bが「機能性表示食品」です。
医薬品: 病気の「診断、治療、予防」を目的として使用される物質です。製造販売には、薬機法に基づき、品質、有効性、安全性について科学的なデータ(主に臨床試験の結果)を提出し、厚生労働大臣(実質的には医薬品医療機器総合機構:PMDA)の厳格な審査を受け、承認を得る必要があります (厚生労働省資料:健康食品の安全性と有効性について)。
サプリメント(特に機能性表示食品): 健康の維持増進に役立つことを目的とした「食品」の一種です。 機能性表示食品制度は、2015年に開始された制度で、事業者の責任において、疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦を除く)を対象とし、食品の特定の保健の目的(機能性)が期待できる旨を科学的根拠に基づいて表示できるものです。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などを消費者庁長官に届け出る必要がありますが、国が個別に審査・許可を行うものではありません (消費者庁:機能性表示食品について)。あくまで「表示」の制度であり、医薬品のような「承認」制度とは異なります。
医薬品: 承認プロセスにおいて、プラセボ(偽薬)や既存薬との比較試験など、質の高い臨床試験を通じて、有効性(病気の治療や予防効果)と安全性が厳しく評価されます。効果や副作用に関する情報は、添付文書やインタビューフォームとして公開され、医師や薬剤師を通じて患者に提供されます。
機能性表示食品: 表示される機能性は、あくまで「健康の維持及び増進に役立つ」「特定の保健の目的が期待できる旨」であり、医薬品のような疾病の治療・予防効果を保証するものではありません。科学的根拠としては、最終製品を用いた臨床試験、または最終製品もしくは機能性関与成分に関する研究レビュー(システマティックレビュー)が用いられます。ただし、これらの研究の質にはばらつきがある可能性が指摘されており、消費者庁自身も届出資料の検証事業を行うなどしています (薬学雑誌 2023年 機能性表示食品制度の現状と課題)。有利な結果のみが強調され、不利な情報が伝わりにくいといった問題も専門家から指摘されています (Science Portal 2024年4月8日)。
医薬品: GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)と呼ばれる厳格な基準に基づいて製造され、製品の品質が一定に保たれるよう管理されています。
フェルガード: 株式会社グロービアのウェブサイトによると、フェルガード®は医薬品レベルの品質管理体制であるGMP基準を満たした国内工場で製造されていると記載されています (グロービア製品情報)。これはサプリメントとしては品質管理に配慮している点と言えますが、全ての機能性表示食品がGMP認定工場で製造されているわけではありません。
アルツハイマー病の新薬とフェルガード、どちらを選択肢として考えるべきか、あるいはどちらも不要か、または併用を検討するのか(医師との相談が前提)は、個々の状況によって大きく異なります。以下に、選択の際に考慮すべきポイントを挙げます。
これらのポイントを総合的に考慮し、医師との十分なコミュニケーションを通じて、ご自身にとって最善と考えられる選択をすることが望まれます。
アルツハイマー型認知症の予防と進行抑制に対するアプローチは、疾患修飾薬という新たな治療の選択肢が登場したことで、大きな転換期を迎えています。一方で、サプリメントも依然として関心を集めています。これらの選択肢を比較検討することは、患者さんやご家族にとって非常に重要です。
選択肢/比較項目 | アルツハイマー病新薬 (レカネマブ/ドナネマブ等) | フェルガード (サプリメント) |
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位置づけ | 医薬品 (疾患修飾薬) | サプリメント (一部製品は機能性表示食品) |
主成分/作用機序 | 抗Aβ抗体 (Aβ除去による病態進行抑制) | フェルラ酸、ガーデンアンゼリカ等 (抗酸化、神経保護、認知機能サポートなどが研究されている) |
期待される効果 | 早期AD/MCIにおける認知機能悪化の抑制 (臨床試験で効果検証済) | MCIにおける認知機能維持・改善の期待 (一部臨床試験で報告あり、結果にはばらつきも) |
主な副作用/リスク | ARIA (脳浮腫・微小出血等)、点滴反応。要定期MRI検査と専門医による厳格な管理。 | 比較的軽微とされる (皮膚症状等)。医薬品ではないため治療効果は保証されず、効果にも個人差。アレルギー等の可能性。 |
対象者 | アミロイドβ病理が確認された早期ADまたはMCIの患者 (医師の診断・処方が必須) | 認知機能低下が気になる方、MCIの方、予防に関心のある方 (購入は医療機関等。医師への相談が推奨) |
用法・利便性 | 定期的な通院・点滴 (2週~4週に1回、1回30分~1時間程度) | 経口摂取 (1日数回目安)、比較的簡便 |
費用 (年間概算) | 高額 (薬剤費約300万円前後。高額療養費制度適用後の自己負担は所得により月数万~十数万円程度) | 全額自己負担 (製品によるが、フェルガード100Mで月約6,000円、年間約72,000円程度) |
エビデンスレベル | 医薬品として厳格な臨床試験(治験)を経て国が有効性・安全性を審査・承認。 | 機能性表示食品としての届出ベースの科学的根拠。一部製品で臨床試験報告があるが、医薬品の治験とは規模・厳格性が異なる。 |
考慮すべき選択肢:アルツハイマー病新薬(レカネマブ、ドナネマブなど)
理由:病態の根本原因の一つであるアミロイドβに直接作用し、その除去を通じて病気の進行抑制効果が臨床試験で示されています。これは、これまでの対症療法薬とは異なる大きな進歩です。
注意点:
考慮すべき選択肢:フェルガード(医師に相談の上)
理由:比較的安価で経口摂取のため手軽に開始でき、副作用リスクも低いとされています。一部の臨床試験ではMCIに対する認知機能サポート効果を示唆するデータも報告されています(ただし、結果にばらつきがある点も認識が必要)。
注意点:
この記事が、アルツハイマー型認知症という複雑な課題に対する皆様の理解を深め、ご自身や大切なご家族にとって最善の選択肢を検討する上で、少しでもお役に立つことができれば幸いです。繰り返しになりますが、最終的な判断は必ず専門医にご相談ください。